奄美大島南部、3泊4日モデルルート


知られざる奄美大島南部へ。そこは神秘が息づく聖域だった


鹿児島本土と沖縄県のほぼ中間に位置する奄美大島。島内は太古から生き続けるソテツなどを育む亜熱帯雨林の森と生き物のゆりかごとなるマングローブの原生林が今も残り、それらを青く輝く豊穣の海が取り囲みます。そんな奄美大島は空港のある北部から名瀬までが観光の中心になりがちですが、最高峰694mの湯湾岳を筆頭に多雨が育む森、そしてその自然の中で命を育み続けてきた貴重な生き物たちの生息域が広がるのが南部となります。今から200万年前に中国大陸から切り離された原始の奄美大島に触れる島旅に一番近い宿が「ささやかなおうち市」となります。

【ささやかなおうち市に滞在する奄美大島南部、3泊4日モデルルート】

1日目 島内を巡り、太古からの自然と寄り添う住用町へ

奄美空港に到着後、レンタカーを借りて「ささやかなおうち市」を目指します。「ささやかなおうち市」がある住用町まではノンストップでも1時間半ほどドライブとなりますので、途中で昼食や観光、買い出しなど、寄り道しながら行きましょう。

到着後は、明日からの冒険に備えて部屋でゆっくりするのもよし、道中で買い込んだ島の食材で夕食の準備をするもの楽しい時間となります。「ささやかなおうち市」では、リノベーション済みのキッチンに大型冷蔵庫、炊飯器、オーブンレンジなど、調理に必要な器具、食器等が揃っています。外食なら車で15分ほどの国道58号線沿いにある「つむぎ庵」でも、前日までに予約をすれば夕食が頂けます。さらに5分ほど走ると、夜10時まで営業しているコンビニエンスストア「島人mart」があり、酒類やちょっとした日用品も購入できます。


2日目 奄美大島の奥座敷「宇検村」が今、面白い

奄美大島の南西部に位置する宇検村は、奄美群島の最高峰・湯湾岳や美しいビーチなど、手付かずの自然が訪れる人を魅了します。ここには奄美固有の貴重な動植物たちが深い山に守られています。夜になるとアマミノクロウサギが道路にひょっこり顔を出し、日本で一番美しいと言われるアマミイシカワガエルの美声が森に響きます。初夏はホタルと星空の光の饗宴といった自然の神秘に圧倒されます。


宇検村の最奥にある秘密のビーチへ

宇検村に深く切れ込む焼内湾の南岸沿いをドライブ。リアス式海岸沿いの集落を一つ一つ過ぎてゆくと、目を奪われるほどに美しいビーチが見えてきます。

神秘的なエメラルドグリーンの透明な海が広がるタエン浜、透明度抜群の屋鈍海岸は、どちらも海水浴場としてきれいなトイレとシャワーが設備されています。半島の最西端となる屋鈍集落にはわずかながらサンゴの石垣が残り、ビーチ前にはランチを提供している居心地の良いカフェがります。海を見つめるケンムンと一緒に記念撮影も忘れずに!島の端っこでのんびり過ごす時間も奄美らしくていいものです。


シマの妖怪「ケンムン」を探せ!

宇検村には伝説の妖怪「ケンムン」が棲んでいると伝えられています。ケンムンはガジュマルの樹に棲み、相撲といたずらが好き。子供のようなカッパのような姿をしているといいます。宇検村内には6体のケンムン像が隠れていて、みんなが来るのを待っています。

ケンムンはアランガチのガジュマル、バス停、イジュンゴ湧水池、屋鈍海岸、県道が交わる交差点、釣りイカダ宇検付近で遊んでいます。アランガチのガジュマル近くに位置するアランガチの滝は、湯湾岳を源流とする落差約30mの奄美を代表する滝のひとつです。


また、宇検村には「れんと」で知られる開運酒造の酒蔵があり、予約制で1日4回無料の工場見学を開催しています。ギフトショップでは、ケンムンをラベルにした黒糖焼酎やケンムングッズを販売。ここでしか買えないグッズもあり、お土産探しには絶好の場所。宇検村はケンムンを探しながら観光ができる楽しいところです。


夜の帳が降りる頃、島の最高峰「湯湾岳」で動き出す生命の営み

宇検村と大和村にまたがる奄美最高峰の湯湾岳周辺域の森には、奄美大島のなかでもアマミノクロウサギをはじめとする希少な動植物が多く生息しています。しかし、その多くは簡単に人の前には現れず、人里離れた山の中で静かに暮らしています。また、森にはハブや危険な生物も生息しているので、個人で探すのは危険。公認ガイドによるナイトツアーに参加して、奄美の神秘を体験するのが一番です。


宇検村でナイトツアーを開催する「サンクチュアリアマミ」は、少人数制でアマミノクロウサギや森に生息する鳥や爬虫類などの夜行生物を見せてくれます。ツアーの所要時間は約150分。夜8時に開運の郷内のやけうちの宿集合。施設内にはレストランがあるので、出発前に夕食を取ることもできます。アマミノクロウサギは夜遅い時間ほど出現率が高くなるそうですが、開始時間を早めることもできるので相談するといいでしょう。

最初に訪れるのが、宇検村役場にある村民が捕まえたハブを保管しているハブ展示ケース。大きなガラス張りのケースの中はハブだらけ。牙を見せているハブがこちらをじっと睨んでいる姿に恐れおののきます。こんな毒蛇に暗闇で遭遇したらパニック間違いなしです。ハブを見学しながらナイトツアーの説明や注意事項を確認し、ミニバンで山へと向かいます。助手席に座った人は目を凝らして動物探しの手伝い。後部座席も耳を澄まして鳴き声で探します。闇に包まれた森に様々な鳴き声が響いています。鳥のように高く美声で鳴くアマミイシカワガエル、アマミノクロウサギの親子間による鳴き交わしは高音でピッビッと鳴きます。道路のすぐそばでリュウキュウコノハズクの雄と雌が「コホー」「ニャー」と鳴き交わしています。そっと車を降りて木の高いところをガイドさんがライトを照らすと、いました。小さくて可愛いリュウキュウコノハズク。

ツアー中にアマミノクロウサギを目視で5匹確認。他にも各種カエル、道路を歩いている奄美ヤマシギ、就寝中のカラスバトやヒメハブの捕食シーンなども見ることができました。夏はホタルの感動的な光景が見られます。貴重な生き物と出会う奄美の夜の神秘をぜひ体験してください。



3日目マングローブの森で朝カヌー

「ささやかなおうち市」の目と鼻の先には、奄美大島のもう一つ顔とも言える日本で2番目に大きな面積を誇るマングローブの原生林が広がっています。その景色は国道58号線からも見ることができますが「黒潮の森マングローブパーク」を訪れれば、生態系を知る展示室、展望台からはマングローブの群生を一望でき、さらにカヌーでマングローブに接近することもできます。開園は午前9時半。ガイド付きのカヌー体験は1日5回開催されています。カヌーからでしか見られない風景は、まさに奄美らしい体験と言えます。また近隣の「マングローブ茶屋」でも、午前9時からカヌーレンタル(レクチャー付き)や観光船遊覧などのツアーを取り扱っています。


奄美大島最南端の瀬戸内へ

マングローブの森を出発し、国道58号線を南に車を走らせ高地山展望台へ。螺旋階段の一番上まで上がると、そこからは加計呂麻島、請島、与路島、天候の良い日は徳之島まで、大島海峡の全貌を見ることができます。絶景を堪能したら古仁屋港を目指しましょう。せとうち海の駅の2階のシーフードレストランでは、瀬戸内町が誇る養殖本マグロをリーズナブルにいただけます。


奄美大島の最南端に位置する瀬戸内町は、大島海峡を挟んで本島側と加計呂麻島や請島、与路島と多数の島々からなります。 港の前に広がる古仁屋は、奄美大島で2番目に大きい町とはいえ、歩いて巡れるほどの大きさ。老舗のお菓子屋や名物のつきあげ屋、話題のカレー屋などがあり、ちょこっと町歩きも楽しめます。

胃袋を満たしたら、ホノホシ海岸を目指して東へ海沿いをシーニックドライブ。途中にあるマネン崎展望台からは、目が覚めるほど鮮やかなエメラルドグリーンの海の先に加計呂麻島と大島湾を一望できます。さらに先に進むと「ハートが見える風景」というビューポイント。周囲の緑の山とハート形に見える湾を湛える青いグラデーションの海のコントラストが素敵です。


ホノホシ海岸は周囲が岩場のため、打ち寄せる荒波で削れた丸石が敷き詰められた海岸。引き波の際には石が擦れてカラカラコロコロと音を奏でます。冬の時期には、ここからザトウクジラが悠々と海を渡る姿を見かけることもあります。ホノホシ海岸からすぐ近くのヤドリ浜は白砂とエメラルドグリーンの海が広がる穴場ビーチ。トイレ、シャワー設備もあります。



4日目 奄美空港へ

ささやかなおうち市から空港までは車で約1時間半ですが、名瀬市街地等の渋滞やレンタカーの返却などを考慮すると、2時間〜2時間半前に出発することをおすすめします。例えばピーチ・アビエーション利用で成田便の場合は、ささやかなおうち市を9時半頃に出発すれば、余程のことがない限り慌てることはないでしょう。出発までは、ささやかなおうち市の目の前の誰もいない天然のビーチなど、最後まで奄美大島南部の手付かずの自然美を楽しむことができます。


観光スポットをみる

ささやかなおうち市

住所:894-1321鹿児島県奄美市住用町金久田985-1